はじめに:その「反則金」、会社が負わされますか?
2026年から導入される自転車への「青切符(反則金制度)」。 これまでは「注意」で済んでいた違反が、今後は明確な「金銭的負担」を伴うペナルティへと変わります。
ここで多くの経営者・人事担当者が抱く不安があります。 「従業員が通勤中に違反した場合、その反則金は会社が払わなければならないのか?」
結論から言えば、反則金は交通違反を犯した個人に課せられるものであり、原則として本人が負担すべきものです。しかし、社内規程が曖昧なままでは、「ルートを指示されていた」「急がされていた」といった主張から、会社が予期せぬ法的・道義的責任を問われるリスクがあります。
今回は、会社を守り、かつ従業員をルールに縛り付けるのではなく「自走」させるための、規程に入れるべき3つの「防衛条項」を解説します。
防衛条項①:費用負担の主体を「明文化」する
まず真っ先に盛り込むべきは、責任の所在の明確化です。
【条項例】 「自転車通勤中の交通違反によって生じた反則金、罰金、および訴訟費用等は、全額本人の負担とする。会社はこれらについて一切の補填を行わない。」
当たり前のことに思えますが、これを明記しておくことで、万が一の際のトラブルの芽を摘むことができます。また、安易な肩代わりが「違反を軽視する文化」を生むのを防ぐ、組織へのメッセージにもなります。
防衛条項②:走行ルートの「届け出」と「逸脱」の線引き
青切符の導入により、どこで違反をしたかという「場所」の重要性が増します。
【条項例】 「自転車通勤の許可を得る際、走行ルートを地図にて届け出ること。原則として、届け出た最短かつ安全なルート以外の走行を禁止する。合理的な理由のないルート逸脱中の違反や事故については、会社の管理外(私的行為)とみなす。」
勝手な裏道での信号無視や逆走。それらが起きた場所が「指定ルート」でなければ、会社は管理責任を限定させることが可能です。Googleマップのキャプチャなどを添付させる運用をセットで検討しましょう
防衛条項③:違反時の「即時報告」と「再教育」
最も恐ろしいのは、従業員が青切符を切られたことを隠し、安全意識が低下した状態で重大事故を起こすことです。
【条項例】 「交通違反により反則告知を受けた場合、24時間以内に所属長へ報告しなければならない。報告を怠り、後に発覚した場合は、自転車通勤の許可を取り消す、または懲戒処分の対象とする場合がある。」
反則金を払って終わりにするのではなく、報告を「再教育の機会」と捉える仕組みを作ります。報告を受けた側も、なぜその違反が起きたのか(時間の余裕がなかったのか等)をヒアリングすることで、真の安全管理が始まります。
おわりに:規程は「自走する組織」の設計図
規程を整える目的は、決して従業員を「罰する」ことではありません。 ルールが明確だからこそ、会社は安心して通勤を認められ、従業員は堂々と、安全に自転車を活用できる。そんな信頼関係を築くための「設計図」です。
2026年の施行まで、まだ時間はあります。 しかし、NFCカードをかざして表示される「安全ガイド」と同じように、デジタルの仕組みとアナログな規程を噛み合わせることで、貴社の「自走力」はより強固なものになります。
「自社の規程に穴がないか不安だ」という方は、ぜひ一度CUEGOへご相談ください

