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  4. 【止まる判断】自転車通勤の事故は、起きる前に防ぐ|BFL #064

【止まる判断】自転車通勤の事故は、起きる前に防ぐ|BFL #064

2026 10/06
組織開発・人材育成
制度
2026-10-06

はじめに

自転車通勤を認めている会社は、少なくない。 健康づくりにもなり、駐車場もいらない。 けれど、総務や人事の担当者にとって、気がかりなことが一つある。 社員が通勤中に、交通事故を起こしたらどうなるのか。

問題は、社員のけがだけではない。 車や歩行者と接触すれば、交通違反としての責任に加えて、相手にけがをさせた場合には刑事上の責任や、損害賠償という民事上の責任まで問われることになる。

通勤中の事故は、会社の問題でもある

通勤中のけがは、労災保険の「通勤災害」として扱われる。 通勤は業務そのものではないが、業務に準じて、会社を通じた「労災の手続き」が必要になる。

社員がけがをすれば、休業が生まれ、職場の人員にも影響する。 相手にけがをさせてしまえば、賠償の問題にもなる。 通勤中の事故は、本人だけの問題では終わらない。

だから多くの会社は、自転車通勤を許可するときに、通勤経路の届出や、自転車保険への加入を確認している。

stand.fm
#064|【自転車通勤事故】起きる前に防ぐ。一時停止で「足を着く」理由 - BICYCLE FRONTLINE | stand.fm 自転車通勤を認めている会社の、総務・人事の方に向けた回です。 通勤中の事故はなぜ会社の問題になるのか。そして、事故を起きる前に防ぐために、今ある手続きで何ができ...

青切符施行から約半年が経過している

2026年4月、自転車の交通違反に「青切符(交通反則通告制度)」が導入された。 施行から約半年がたつ。

導入から1か月で交付されたのは、全国で2,147件。 3か月では、約7,000件にのぼったと報じられている。

ただ、同じ時期に、警察官による指導や警告は、これまでに比べて1.5倍に増えていた。 取り締まりの裏で、ルールを伝えることにも、同じだけ力が注がれているのだ。

青切符の本当の役割は、違反を罰することではなく、違反が起きる前に人の行動を変えることにある。 会社の安全対策も、同じ方向で考えたい。

社員はきっと道路交通法を守ってくれるはず。 そんな性善説だけでは、交通事故は減らない。

違反の1位は「止まらなかった」こと

導入1か月の違反で最も多かったのは、「一時不停止」だった。

止まれの標識があることは、知っている。
止まらなければいけないことも、知っている。
それでも、止まらない。

理由の多くは、時間に追われる焦りだと思う。
遅刻しそうな朝。
取引先との約束に間に合わない業務中。

ルールを知らないから止まらないのではない。 知っていても、急いでいるその瞬間に、「止まらない」を選んでしまう。

焦っている瞬間に、落ち着いた判断は生まれにくい。 だからこそ、判断は事前に備えておく必要がある。

私が一時停止で決めていること

私自身、一時停止で決めていることがある。
必ず、路面に片足を着くことだ。

足を着けば、速度は必ず「時速0キロ」になる。
0になると、人は自然に周りを見渡す。
足を着かずに済ませようとすると、注意が散漫になり、とっさの判断が狂う。

止まるかどうかを、その場で考えない。
先に決めた動作に任せる。
これが、判断を事前に備えるということだ。

社内規程の多くは「事故のあと」の備え

自転車通勤の規程には、たいてい次のような項目が並ぶ。

通勤経路の届出。 自転車保険への加入確認。 事故が起きたときの報告。

もちろん、どれも欠かせない。 ただ、その多くは、交通事故が起きたあとに備えるものだ。
事故そのものを減らすのは、その手前にある、一人ひとりの判断のほうだ。

なお、通勤経路は一本の線ではない。

通勤災害で求められる「合理的な経路」には、普段使える複数の道が含まれ、当日の工事や交通事情で迂回した道も認められる。 届け出た経路を基本にしながら、状況に応じて選びなおす余地は、制度の上でもあるのだ。

今ある手続きに、一行足す

青切符への対策として、新しい研修を増やす必要はない。 総務や人事がすでに扱っている手続きに、一行足すだけでいい。

① 通勤経路の届出に「止まる場所」を書いてもらう 届け出る経路の中で、一時停止する場所を本人に記入してもらう。 自分の道の「止まる場所」を、一度自分の目で確かめてもらうためだ。 手間に思えるかもしれないが、自分で止まる場所を確かめること自体が、大きな抑止効果になる。

② 規程の「安全教育」に、止まる動作を書く
「ルールを守ること」で終わらせず、何をするかまで書く。 たとえば、「一時停止では、足を地面に着いて止まる」。 動作が決まっていれば、
あとは体が覚えるだけだ。 焦った朝にも迷わない。

③ 保険の確認で、相手への補償を見る
加入しているかどうかだけでなく、相手への賠償に備えた補償が十分かも一緒に確かめる。
自転車保険の加入は、義務にしている地域もあれば、努力義務にとどまる地域もある。|

地域の決まりに頼らず、会社として加入を義務づけ、補償の内容まで確認しておきたい。

おわりに

保険も、報告の手順も、事故が起きたあとの備えだ。 本当に守りたいのは、起きる前の、何でもない毎朝のほうだろう。

止まるかどうかを、その場で決めない。 先に決めておく。
そして、「止まれ」の標識の前では、必ず片足を地面に着く。それだけだ。

停止線を越えずに止まれれば、車や歩行者との接触事故は、ぐっと減らせるはずだ。
止まれる社員が増えれば、事故による業務への影響も、限りなく小さくできる。

止まる場所を決めている人は、焦った朝にも、きっと止まれる。

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LME 交通安全 判断力 自転車通勤 青切符
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