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[タンデム自転車がなぜ認可されないのか-1]では、二人乗り自転車(タンデム自転車)が持つ高い利便性や障害者スポーツ・インクルーシブ観光としての可能性、そして長年にわたる各都道府県での公道走行認可の歴史についてお伝えしました。
かつては「危険だから」と公道走行の認可が遅れていたタンデム自転車ですが、2023年7月1日に東京都でも改正規則が施行されたことで、ついに日本全国47都道府県の公道で走行可能(全国解禁)となりました。
東京パラリンピックの競技車両でもあったタンデム自転車が、ようやく日本全国どこでも走れる法環境が整ったのです。
しかし、全国で公道走行が認められたからといって、街中でタンデム自転車を見かける機会が急増したかと言えば、決してそうではありません。
法的な解禁を果たした「その先」にある、タンデム自転車の本当の普及を阻む公道走行時の現実的な問題点を整理してみましょう。
1. 認可の「その先」に立ちはだかる3つの現実的ハードル
全国の公道を走れるようになったからこそ、実際に街を走る中で次のような課題が浮き彫りになっています。
- 一般車と大きく異なる車両特性(全長と重量): 全長が長く小回りが利かないため、一般的な自転車とは加速・曲がり角・制動距離(ブレーキ)の感覚が大きく異なる
- 保管場所と駐輪インフラの圧倒的不足: 全長が約2メートル前後に達するため、街中の一般的な駐輪ラックや自宅の駐輪スペースに収まらない
- 歩道走行不可(車道走行の必須): 道路交通法上、普通自転車の規格(長さ190cm以内)を超えるタンデム自転車は歩道を通行できず、常に「車道左側」を走行しなければならない
これらは設計上の問題というよりも、「乗る人・周囲のドライバー(クルマやオートバイ)双方がタンデムの特性を正しく理解しているか」という認知の課題です。
一般自転車と同じ感覚・スピードで車度を走ってしまうと、混走する自動車との接触事故を誘発するリスクが高まってしまいます。
2. 本当に必要なのは「自転車専用道路の拡充」と「供給体制」
安全にタンデム自転車を走らせるために今最も求められているのは、単なるルールの解禁ではなく、「安全に走行できる『自転車専用道路(走行空間)』の拡充」です。
後席に視覚障害者や高齢者を乗せて走る場合、いくら車道走行が義務だとしても、交通量の多い幹線道路の車道端を走らせるのには大きな危険が伴います。保護された自転車専用道やサイクリングロードが整備されて初めて、誰もが安心して風を感じられる安全性が担保されます。
さらに、もう一つの深刻な問題が「車体そのものの供給不足(取り扱いブランドの激減)」です。
せっかく全国で公道走行が解禁されたにもかかわらず、国内でタンデム自転車を製造・販売するメーカーやブランド数が激減しており、買いたくても買えない、試したくてもレンタルできる場所がないという状況が続いています。
3. アクション:誰にでも自転車の素晴らしさを届ける「空間と場の創出」へ
法的な解禁はあくまでスタートラインに過ぎません。
「障害のある方も、体力に不安がある方も、誰もが自転車の素晴らしさと風を感じる喜びを味わえる社会」を実現するために、私どもCUEGOでは次のアプローチに注力していきます。
- 【専用空間・観光活用の推進】: 自治体や観光地において、安全なサイクリングロードを活用したタンデム自転車のシェアリング・観光アクティビティを設計する
- 【走行特性の啓発プロトコル】: 乗車者(フロント・リア)および周囲の交通への安全指導・ガイドツアーの仕組みを整える
- 【インクルーシブな環境整備】: 観光行政や地域事業者と連携し、誰もが乗れる自転車インフラの価値を社会へ訴求する
ルールが解禁された今だからこそ、本当の意味で誰もが安全に楽しめる環境と場(インフラ)を整えていくこと。
あらゆる人が笑顔で自転車を楽しめる未来を目指し、課題解決に真摯に取り組んでまいります。

