CUEGOでは小売店コーチングでの気付きを「現場事件簿」として動画での要約をしております。
現場事件簿ファイル007:狂った歯車と、消えた顧客——完成車が売れない時代の「認定中古・個人リース」という突破口
当社のコーチング現場では、毎日いろんな事件が起きます。
「在庫用に仕入れた自転車が売れない」——誰もいない店内でそう嘆く自転車店は少なくありません。
以前なら来たるべき需要に備えるために店頭在庫は不可欠でした。
しかし売れない原因は単なる需要減ではなく、ビジネスモデルそのものが限界を迎えていることにあります。
まだ多くのお店は未来の恐怖に脅えているだけです。
更に恐ろしいことに、仕入れた在庫が売れなければ資金がどんどん目減りしていきます。
オートバイも車もそんな時代はあったけどすでに転換しています。
自転車だけが原始時代のような形骸化された売り方が残っています。
つまり、既存の「新品売り切りモデル」は、すでに生命維持装置が外された状態なのです。
今回は、完成車が売れない時代を生き抜くための一つの提案として「認定中古・個人向けリース」という突破口を考えます。
見えない「強盗」に奪われた顧客とは
昔と同じようにメーカーから新品を仕入れ、店頭に並べる。
それだけでは、もう客は見向きもしません。欲しい商品は検索して見つけます。
だからお店の在庫から選びません。在庫があれば別ですがこれは宝くじにたまたまあたったような事案です。
ネットで安く買い、フリマアプリで手軽に売買する——このループに、街の自転車店が介入する余地はないのです。
顧客は消えたのではなく、大手通販と個人売買アプリという「見えない強盗」に奪われています。
冷静に周りを見てください。
車は「ディーラー認定中古」、スマホは「月額リース」が当たり前の選択肢になっています。
なぜ自転車業界だけが「新品の売り切り」に固執し続けているのか。ここに、業界最大の死角があります。
反撃の武器は「認定中古」と「個人向けリース」にある
顧客が本当に求めているのは、お店の在庫品を買うことではありません。
顧客は商品を事前に調べており、お店に在庫や取扱が無ければ「買わなくてもいいかな・・・」という心理があります。
お店で買うのは価値です。これは他店に負けないと思うなら是非ウェブサイトで動画やテキストでわかりやすく簡潔に伝えることが不可欠です。
顧客に販売するのは「安心して快適に乗ること」です。この視点に立てば、反撃の武器は明確になります。
一つは、店主の目利きで整備した「店オリジナル認定中古」。
乗らなくなった美車を仕入れ、整備して販売する仕組みです。この場合は「古物商」という許可が必要です。
*リンクは東京都の例です
*管轄は都道府県公安委員会で、申請窓口は営業所所在地を管轄する警察署です。
もう一つは、月々数千円のメンテナンス付きで貸し出す「個人向け長期リース」です。
以前ならば分割の支払いがありましたが今は「サブスクリプション」という言葉の方が馴染みやすいかもしれません。
売り切りは、底の抜けたバケツのようなもの。
収益構造は単発・不安定で、競合は大手通販やアプリ。提供価値はあくまで「モノ(新品)」にとどまります。
一方、点検付きサブスクは水を汲み上げるポンプのように継続的なベース収益を生み、競合は自店の信頼と技術そのもの。提供価値は「安心」です。街の専門店だからこそ実現できるこの仕組みこそが、揺るがない収益基盤をつくります。
おわりに
新車が売れないなら、売る仕組みを変えればいい。
それだけのことです。
自店でできる中古・リースや点検サブスクの組み方に悩んでいるなら、まず小さく一台から始めてみてください。
狂った歯車は、自らの手で組み直せます。
「ストック型ビジネス」への転換こそが、街の専門店が生き残るための唯一の脱出経路です。
さあ、どう動くかは、あなた次第です。
