はじめに:歴史や施設がなくても、観光ビジネスは成立する
地方自治体や観光地域づくり法人(DMO)が「観光で地域を活性化しよう」と考えたとき、真っ先に挙がるのが、数百年続く歴史遺産や、多額の補助金を投じて建設した大規模なハコモノ施設です。
しかし、現代の観光ビジネスにおいて、その常識はすでに崩壊しています。 生まれた前からある歴史がなくても、街の片隅にある何気ない古い看板に「物語(ストーリー)」を添えれば、それは立派な観光名所になります。莫大な維持費がかかる施設を維持しなくても、手つかずの自然を活かしたスポットを、自転車で訪れる観光客と共に「育てていく」ことこそが、最も強いリピート動線を生み出すのです。 徒歩よりも遠くへ行けて、公共交通機関のように時間に縛られない。自転車というモビリティだからこそ出会える、まったく新しい「観光資源」の作り方を解説します。
1. マニア向けは自滅の道:「自転車活用推進法」の施策が差別化できない理由
数年前に国内で「自転車活用推進法」が制定されて以来、全国の自治体で自転車を活用した地域整備が一斉に進み始めました。しかし、その多くが手痛い失敗に終わっています。なぜなら、すべての施策が「コアな自転車愛好者(サイクリスト)」に向けたものばかりだからです。
自分の高級自転車を持ち込むためのマップを作り、自分で整備するための工具一式を並べ、バイクラックを設置する。もちろん愛好者には喜ばれますが、愛好者に特化すればするほど、その地域が本来持っている「独自の観光資源」は完全に死んでしまいます。 自転車愛好者は、全体から見ればごく一部の限られた熱狂層に過ぎません。観光をビジネスとして成り立たせ、地元に確実にお金を落としてもらうためには、スポーツ自転車に乗ったことがない圧倒的多数の「一般観光客(ライト層)」を対象にする必要があります。 担当者自身の趣味をそのまま並べたような「どこにでもあるサイクリスト用ショーケース」では、隣の県、隣の市との差別化など永遠に不可能です。
2. 地域住民の「ありふれた日常」こそが、旅人にとっての「極上の非日常」
では、あなたの街が本当に磨くべき「観光資源」とは一体どこにあるのでしょうか。 皮肉な事実ですが、それは毎日その場所で暮らしている地域住民が完全に見過ごしている「ありふれた日常」の中にこそ眠っています。
毎日見ている情景だから、地元の人は感動しません。そこにあるのが当たり前だから、感謝も湧かないし、非日常の発見にもなりにくいのです。 しかし、都会からやってくる来訪者にとっては、地元住民が何とも思っていない田んぼのあぜ道、古い商店街の佇まい、地元の人しか使わない湧き水など、すべてが息をのむような「圧倒的な非日常」に化けます。 観光資源とは、多額の予算を使って新しく作るものではありません。地中に埋もれていた恐竜の化石のように、そこにある価値に気づき、正しく「発掘」するものなのです。その価値は、WEBや動画を通じて「訪れた人の心の中に物語として作られる」ものと言えます。
3. 自転車の速度だから出会える「地域住民も感動する非日常」の設計
地方都市や人口密集地以外の地域では、大人の移動は車(自動車)が主流です。地元にとっての自転車は、中高生の通学用か、ごく近所の買い物用という認識しかありません。そのため、地域住民自身が「自転車観光」と言われても、具体的なイメージが湧かないのは当然のことです。
車は時速60キロで景色を点から点へと一瞬で通り過ぎてしまいますが、自転車は時速15キロのスピードで、街の空気、匂い、音を五感で切り取りながら線で移動します。 CUEGOは、自転車に特化した戦略コーチングのプロフェッショナルです。だからこそ、その地域に眠る「隠れた日常」を鋭く抽出し、自転車の速度だからこそ出会える「極上の非日常ストーリー」へと組み立て直すことができます。その動線(レーダーチャートの思想)が完成したとき、観光客だけでなく、自分の街の本当の魅力に気づいた「地域住民の方々」をも心の底から感動させるビジネスモデルが完成するのです。
おわりに:あなたの街の「化石」を、確実な経済効果に変える仕組み
サイクルツーリズム(自転車観光)の本質とは、どこかの成功事例を真似して立派なサイクリングロードを整備することではありません。今、そこにあるありふれた景色を「最強の観光資源」へと転換し、WEBサイトやデジタルマップ(インフォメーション編)を駆使して、理想の顧客を引き寄せる仕組みを作ることです。
あなたの街の観光担当者は、まだ使われない工具の常設や、マニア向けのマップ作りに予算を費やしていますか? CUEGOでは、地域住民すら気づいていない潜在的な資源を発掘し、顧客満足度を最大化するための次世代MaaSコンサルティングを提供しています。無理な投資をせず、今ある街の資産を活かして10年先も愛され続ける観光地を、CUEGOと共に育てていきませんか。

